花粉症
花粉症は、花粉(抗原:アレルゲン)が鼻や目に接触することで症状が出る、アレルギ-の病気です。私たちの体は異物(抗原)が侵入すると、これに反応する物質(lgE抗体)を作る仕組みがあります。花粉から溶け出した抗原が、鼻の粘膜にあるアレルギー反応と関係する肥満細胞の表面に付着しlgE抗体と結合すると、肥満細胞から化学物質(ケミカルメディエーター)が分泌されます。これら化学物質がくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、異物感、などの症状を引き起こすのです。1998年と2008年の全国の花粉症有病率は16.2%から26.5%に増加しております。特に、関東地方の有病率は高く、東京は32.1%、山梨44.5%、埼玉39.6%千葉32.4%と報告されています(馬場ら、2008の報告より)。最近ではスギ以外の花粉による花粉症も増加しております。
花粉の飛散開始日は、地域やその年の天候によって異なります。花粉の飛散予測情報、(「花粉症ナビ」「環境省花粉情報サイト」などネット上で知ることができます)を上手に利用して、初期療法の開始日を医師に相談しましょう。初期療法時期の目安は、飛散開始予測日の2週間前です。花粉は1日の平均気温が7~8℃、または日中の気温が10℃を超える頃に飛び始めます。花粉が飛び始める2週間くらい前から抗アレルギー薬を服用することが勧められています。
アレルギー性鼻炎の程度と重症度分類を以下に示しました。
花粉症の治療法は「薬物療法」「減感作療法」「手術療法」になります。 まず言えることは、花粉症の症状をより軽くするには、さらに日常生活の中で花粉症マスク、メガネを使用する、洗眼するなどして「セルフケア」を実践することが大切です。飛散の多い日は郊外などへの外出を控え、外出時はメガネ、マスクを着用し、コートもツルツルした素材を選びましょう。衣服・ペットなどについた花粉は玄関でシャットアウトし、なるべく室内に持ち込まない工夫と努力をしてください。窓を開けない、クリーナーによる掃除をこまめにする、洗濯物を干さない、取り込む時は十分花粉をはらうなどの工夫してください。
「薬物療法」
薬物療法のうち初期療法とは、抗アレルギー薬を目や鼻の症状が出る前から、あるいは症状が軽いうちから始め、シーズン終了まで続ける薬物療法のことです。初期療法では、予想される花粉飛散量と、最も症状が強い時期の症状のタイプヤや重症度などを基にあなたに合ったお薬を選びます。花粉シーズンを通してお薬を服用し続けることが大事です。抗アレルギー薬の服用で、比較的早期に症状の軽減が図れます。
薬物療法では、まず第2世代抗ヒスタミン薬が薦められています。 その他、ケミカル・メディエーター遊離抑制薬は眠気や口が渇くなどの副作用が少ないのですが効果が現れるまで少し時間を要します(1-2週間)。 その他 抗ロイコトリエン薬 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬 Th2サイトカイン阻害薬。以上の薬も全般的な症伏に効きますが、効果は比較的マイルドです。効果が現れるまで少し時間を要します(1,2週間)。 鼻づまりなど強い症状をやわらげるために、第2世代抗ヒスタミン薬だけでなく、経ロステロイド薬の一時的(2週間以内)な服用や、局所ステロイド薬(点鼻薬)なども必要となります。
以上の薬は、重症度を考慮し選択されますので、よく医師と相談してください。
「減感作療法」
これは、抗原(花粉)を徐々に増やしながら注射し、アレルギー反応を弱めていく治療法です。唯一アレルギーを治す可能性がありますが、治療には2~3年かかります。
「手術療法」
鼻の粘膜の一部を切除して、頑固な鼻づまりを解消します。くしゃみ、鼻水にも適応でき、レーザーメスの使用により、出血もありません。気軽に行うことができます。 減感作療法、手術療法は、耳鼻科専門医により行われています。
軽症から中等症の方は、まずは当クリニックに受診し、症状軽減のため、抗アレルギー薬の早期からの服用を考慮してください。
出典:鼻アレルギー診療ガイトライン2009年版から引用