気になりませんか高脂血症

日本人の死因の第一位は悪性新生物(ガン)、第二位は心筋梗塞など虚血性心臓病、第三位は脳卒中(脳出血、脳梗塞)です。多くの日本人が健康診断を受けていますが、その目的はガンの早期発見です。ところが、第二位、三位の心筋梗塞、脳卒中などの早期発見に対する診断技術はまだ開発されていません。しかし、考えてみますと、ガンの予防法はまだ確立されていませんが、動脈硬化を起こす危険因子に関する研究は飛躍的に進歩しており、心筋梗塞、脳卒中に代表される動脈硬化性疾患の予防法は確立されつつあります。動脈硬化の危険因子の第一は高脂血症です。これは、血液中の脂肪(総コレステロール、中性脂肪など)の多い状態のことをいいます。血清コレステロール値が高いほど心筋梗塞の頻度が高まり、薬物療法などによって血清総コレステロールを低下させれば、心筋梗塞は減少します。一方、脳卒中は、心筋梗塞ほど血中コレステロール値との相関は強くありません。中性脂肪が動脈硬化の危険因子になるかどうかは、現在でも明確にされてはいませんが、高中性脂肪-低HDLコレステロール血症は心筋梗塞の重要な関連因子であることがわかっています。したがって、HDL血清コレステロール値が低く、かつ高血圧、喫煙、糖尿病などの因子を持っている場合には高中性脂肪値症も治療しなければなりません。

では、治療法はどうするのでしょうか。高脂血症治療の基本は食事療法です。薬物療法を開始する場合にも食事療法の併用・継続でその効果が高められています。肉・卵を控え、魚・大豆食品を多く摂取することです。いわし、さばなどの青魚にはHDLコレステロール値を上昇させるエイコサペンタエン酸が多く含まれています。そして野菜・海草を多くとりましょう。それらに含まれる食物繊維はコレステロールの原料となる胆汁酸の吸収を妨げます。菓子パン、洋菓子、スナック菓子(いずれもバターの使用量が多い)を控えて、甘いものを食べたいなら和菓子にします。

次ぎは、薬物療法ですが、現在ではコレステロールを20から30%も低下させるスタチン(薬品名リポバス、メバロチン、ローコール、リピトールなど)という薬剤が開発されています。高血圧、心筋梗塞、脳卒中などを既に持たれている方で食事療法を続けてもコレステロール値が250mg/dl以下まで低下しない方は積極的にスタチン系薬剤を服用したほうがよろしいでしょう。薬剤療法の目標値は200mg/dl以下です。

高脂血症は痛みも痒みも伴いませんが、ほっておくと心筋梗塞、脳卒中を引き起こします。40歳を超えたら自分のコレステロール・中性脂肪値に注意をしましょう。そして高コレステロール血症(220mg/dl以上)・高中性脂肪血症(150mg/dl以上)といわれたら本気で食事療法と薬物療法に取り組むことが重要なことです。